D1グランプリが北海道に初上陸!6月9日、十勝スピードウェイにて予選が行われた。 この日の十勝地方は朝の気温が7度と、6月とは思えない寒さ。道民に話を伺ったところ「先週は30度の日もあったのに……」との声をあちらこちらで聞いた。
侵入速度170km/h超えのハイスピードコース
コースは十勝スピードウェイの一部を逆走する形。
170km/h近い速度から一気に2つの右コーナを抜けて、最後に左へと振り返すハイスピードなレイアウトとなっている。
午前中と午後の2回行われた練習走行では、2つのコーナーをうまくつなげることができない選手が多数見受けられ、ローパワーのマシンにはやや厳しいようだ。
肌寒いものの、練習走行中はドライコンディション。各車とも白煙を上げてコーナーを駆け抜けていき、来場したファンを多いに喜ばせていた。しかし、D1ではお馴染みの齋藤大悟、今村陽一、平嶋明、田中省己は今回エントリーしていないのが残念なところ。
予選開始直前から冷たい雨が降る
D1グランプリの予選は4つのグループが2回づつ走行し、その中でのベストで順位付けされる。4名がエントリーしていないため、各組とも5名の中から4名が単走決勝に進出。1名が振り落とされる。
予選は定刻通り15時35分から開始したのだが、その直前から降雨となり、観客席にはあちらこちらで傘の花が開き、ジャッジ点数の補正値であるウェット係数は6〜7と、かなり高い数値となった。
松川がキレのある走りを見せたAグループ
Aグループは、松川和也、日比野哲也、
岩井照宜、
高橋邦明、
内海彰乃
の5名。この中で光ったのは松川和也。1本目から2コーナーをインカットするものの、ダイナミックな走りを見せた。
いっぽう内海は1本目でインカットするミス。2本目も失敗し予選敗退。
ドリフト侍がガードレールの餌食となったBグループ
Bグループは松井有紀夫、
田所義文、時田雅義、
林和樹、
今村隆弘
の組み合わせ。1本目で田所が89.83という高得点を叩き出すものの、松井がその上を行く91.16をマーク。
いっぽう十勝ラウンドから今シーズンのD1に参戦した今村は、2本目に1コーナーを飛び出しガードレールに激突。
コースのランオフエリアは芝生で広いものの、雨が芝を濡らして滑りやすくなっており、彼が乗るFC3Sは止まることができなかった。ここで今村の予選敗退が決定した。
「のむけん」と北海道出身上野がいるCグループ
注目は野村謙のいる村山悌啓、
唄和也、
上野高弘、
山口考二
のCグループ。野村は今年で引退、上野は北海道が地元だ。天候はますます悪化し、ウェット係数は7へとステップアップ。各車が87点台をマークする中、野村は1本目83.15と伸び悩む。2本目に期待がかかったものの、ここでも野村は84.07。前戦オートポリス同様、雨に泣かされる結果となった。
いっぽうチームメイトの村山は、2本目に90点台を叩き出し、総合でも3番手。明暗を分けた。
小橋が最高得点を叩き出したDグループ
Dグループは、小橋正典、中田哲郎、
ポン、
高橋和巳、
チャールズの組み合わせ。予選前のチェック走行でチャールズのラジエーター付近から冷却水が漏れているのが確認され、1本目の走行はキャンセル。反面、冴えたのがTEAM ORANGEに所属し、V8エンジン搭載のS15を狩る小橋だ。
ウェット係数7でありながら大胆な走行は観客を魅了。1本目に91.49と、この日の最高得点を出す。2本目、チャールズのマシンの修復は間に合わずリタイア。この瞬間、チャールズは予選敗退となった。
D1グランプリ十勝ラウンドの決勝は6月10日、10:30から行われる