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軽やかで静粛!オートバックス浜松限定S660専用CVTオイルを試す

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2つの可動式プーリーの間を金属製ベルトで動力伝達することにより無段階変速を可能とする変速機「CVT」。燃費が良いこと、ギア車のように変速ショックがないためスムースな加速が得られるとあって、我が国では小型車を中心に搭載されることが多い。軽スポーツカーであるS660もオートマモデルにも、このCVT方式のトランスミッションが使われている。

さて、CVTオーナーで気になるのは「CVTオイル(CVTフルード)を交換していいものなのか否か」だ。というのも、Yahoo!知恵袋などでは「CVTは精密機械だから、オイル交換した際にゴミが混入したりしたら壊れる」などと恐ろしいことが書かれていたりも……。

いっぽう、金属同士がこすれるのだから、オイルが汚れることは想像に難しくない。素人がいくら考えても答えは出ないので、販売店であるホンダカーズ東京中央のHPを見たところ、ATオイルの交換時期は2年または2万キロを推奨しているページを発見。
http://www.hondacars-tokyochuo.co.jp/home/194_exchange01.html
自分はエンジンオイル同様、定期的に交換することに決めた。

謎が謎を呼ぶ「販売店舗限定」「Moty's」オイル

さてCVTオイルに関して悶々としていたある日の事。ネットで「スーパーオートバックス浜松限定S660用CVTオイル」なるものがあることを知った。


http://minkara.carview.co.jp/userid/592092/blog/39314206/
昔から「限定」「専用」という言葉には弱い私。当然、気にならないわけがない。しかし「何故にスーパーオートバックス浜松(以下SAH)限定なのか」が気になった。良い物なら全店で売ればいいのではないだろうか。とはいえS660専用というニッチな物を普通の店舗は在庫として抱えたくはないだろう。それに変な物だったら、オートバックスの本社から「勝手に変な物を売るな」とお叱りがあって然るべきだろうから「ちゃんとした物」だろうと予想した。
次に気になるのは、このオイルの製造元MOTY'S(モティーズ)。サーキットで時折このロゴを見ることはあっても、不勉強な私はこのブランドのことがよくわからない。インターネットで調べたのだが、結局よくわかないままだった。変な物だったら、ブランド自体が淘汰されているだろうから、これまた「ちゃんとした物」なのだろう。

たぶん「ちゃんとした物」と思われるオイルについての詳細を知るべく店舗のブログを拝見していたところビデオオプションの人気企画「筑波スーパーラップ」で活躍する「スーパー小学生」ことプロドライバー木下みつひろ氏がインプレッションする紹介動画が掲載されていることを発見。

雪降る富士スピードウェイで撮影された動画を見る限り、氏のインプレの通りだと「相当いい物」らしい。その動画の中で知り得た情報は、どうやらこのオイル「N-ONEオーナーズカップ」でも使われているモノをベースとしているということ。レースで使われているということは、たぶん「ちゃんとした物」なのだろう。

純正オイルに不安はないが、交換しようと思えばいつでも交換できる。言い方を変えれば「いつでも戻せる」。そこで「スーパーオートバックス浜松限定S660用CVTオイル」を使ってみることにした。

問題は浜松限定……

さて。交換するにあたり何が問題といえば浜松まで行く必要があることだ。都内在住の人間にとって、オイル交換のためだけに浜松へ行くのは正直行ってシンドイ。そこでSAHに電話し、遠方なので他店舗で購入することはできないかと相談したところ「店舗と相談して欲しいが応じない場合があるだろう。また送料などを考えると16200円という金額では行えないのではないか」との解答を得た。なんだか面倒ごとになりそうな気がしたので、仕事かなにかで浜松に行くついでに交換することに決めたのだが、公私ともに浜松へ赴く機会はなかなか訪れなかった。

そんな11月の中ごろ、鈴鹿サーキットで「リシャール・ミル・サウンド・オブ・エンジン2017」が開催され、グループCカーが多数参加するということで取材。

鈴鹿サーキットに往年のCカーが集結!

11月18日(土)、鈴鹿サーキットにて「RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 201 ...

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その日は鈴鹿で一泊し、翌日帰りの東名高速を走行中「浜松西ICまで2km」という看板が目に飛び込んだ時、SAH限定CVTオイルの事が頭にうかび、急遽に立ち寄ることにした。SAHは、浜松西ICと浜松ICのちょうど中間地点、三方原PAの近くにある。ICから降りて約10分ほどで店舗に到着。お邪魔したのは19日の11時30分頃だ。店舗の奥に足を進め、チューニングパーツコーナーに、お目当てのオイルがあった!

恐る恐る店員に「S660用のCVTオイル交換をお願いしたいのですが」と相談したところ、応じた店員は「予約はしていますか?」との答え。していない旨を伝えると「予約していないと交換作業できないんですよ……」と断りの話が。しかし「3時以降なら対応可能です」となり、気づけば「1時間後にお呼び出しします」と親切対応。飛び込み対応できるが、あらかじめ電話で予約した方が望ましいようだ。ともあれ注文。

5リットル分の交換で税込み1万6200円であった。

交換作業は思ったより早く40分ほど

撮影許可は得られなかったので、作業内容を文章で説明することをご勘弁頂きたい。また、作業ピット内は立ち入り禁止の様子だったので、遠目でしか見ていないため、仔細なことまではわからない。

車体をジャッキアップした後、オイルチェンジャーから伸びる細いチューブを左リアタイヤ前方部分から奥に向けて挿入。オイルチェンジャーのボタンを押し、約5分後にチューブをクルマから取り外し、ジャッキを下ろしてエンジンをかける。これを3回ほど繰り返して、CVTオイル交換作業は完了する。所要時間は40分ほど。S660で使うCVTオイルは2リットル程度なのだが、CVTオイルはエンジンオイルのように完全に抜き取ってから入れることができないらしく、5リットル分を使い入れ替えていく。3回ほど同じ作業を繰り返していたのはこのためだ。

担当して頂いたメカニック曰く「相当色が黒かったですよ」とのこと。この手の言葉は、エンジンオイルを交換する度に言われるので慣れている。それに、汚れたオイルを見たわけでもないし、そもそも元のオイルの色を私は知らない。ついでに言うなら、このCVTオイルがどのような容器に入っているのかすらも不明だ。担当者に尋ねたところ「このオイルは、水みたいに透明」なんだそうだ。確かに動画を見ると最初ピンク色の液体が透明な液体に押し出されるカットがある。

ちなみに交換時期であるが「通常CVTは4万キロでの交換をオススメしています。ですがS660のCVTは弱いので2万〜3万キロでしょうか」とのこと。ディーラー推奨の交換時期と同じ、と考えて良さそうだ。自分の場合は4万キロに近づいたら交換することに決めた。時期としては1年半で2万キロ走行しているので、再来年あたりになりそうだ。

軽快なフィールに笑いが止まらない

私はHKSのフラッシュエディターを用いて、エンジンの燃調マップをKansaiサービス謹製のハイオクマップに書き換えている。


http://www.kansaisv.co.jp/info/index.cgi?mode=detail&no=74
これにより出力を82ps、トルクを14.5kg‐mまで向上させている。数字上僅かな変化に思えるが、その変化は大きく、特に3000回転あたりから、背中を押されるような感覚と力強さが得られる。

CVTオイル交換後、まず最初に感じたのは、この「背中を押されるような感覚」が消えたことだ。併せてスムースで転がりがよくなったようにも感じた。このように書くと「よく滑って駆動ロスが発生している」ように受け取れるが、タイムは測っていないものの、高速道路の合流や、信号ダッシュをした感覚では純正CVTと同じか僅かに速くなったような印象。坂道発進や急加速などでCVT特有の滑っている感覚は残るものの、動き始めからの動きが軽いためか、従来のオイルに比べるとその印象は幾分減る。どうやら滑っているというより、今まで低トルク時に滑っていたのが軽減されたという印象なのだ。

ゆえに、今まで背中を押されていたような感覚は、トルクカーブが下図のようなカーブだったからで

それが本来あるべきトルクカーブになったことで軽減したのだろうと推測する。

ともあれフィーリングがとても軽くてリニア。エンジンオイルを0W30から0W20へと交換した変化に近いだろうか。もしくはガソリン車からEV車へと乗り換えた時の感触にも似ている。軽く吹け上がるフィーリングを求めていた私は笑いが止まらない。

スポーツモードにすると、より一層クイックかつダイレクト感のある軽快なフィーリングに心がときめく。気持ち変速スピードが上がったようにも感じられるだけでなく、エンジンブレーキはガツンと効くようになったのは驚いた。CVTだから……と諦めていた部分がかなり払拭され、欧州コンパクトのDCT搭載車両のフィールに近い。何よりアクセルレスポンスに対して、軽やかでありながら、クイックに伝わっている感覚が楽しい。特にパーシャル領域から「ジワリ」と踏んだ時の「ジワッと感」がたまらないのだ。だからコーナーリングがとても楽しくなる。「媚薬」と形容したくなるほどの危うさが、このオイルにはある。

街乗りでも効果アリ!アイドリングストップのショックが大幅低減

S660のAT仕様にはアイドリングストップ機能を有しており、交差点の度にエンジンが停止する。アイドリングストップが解除する時(エンジンがスタートする時)に振動がするのは仕方ないとしても、エンジンが停止する時にもガクッとする。マニュアル車に乗り慣れていない人がエンストをしているかのような動きをするため、隣に人が乗っている時は、アイドリングストップがオフにできるスポーツモードに切り替えるか、エンジンが止まりそうになったらシフトレバーをニュートラルにして駆動を切る動作を行っていた。

そのアイドリングストップの振動が、SAHのCVTオイルに交換してから大幅に低減。まずアイドリングストップ機能が動く時の振動を感じることがなくなり、気づいたらエンジンが止まっていたというフィールに。そして復旧の時のショックも大幅に低減した。これは街中だけでなく渋滞の時にも有益。何度か東名高速下り線で休日恒例となっている「大井松田ICから横浜町田ICまで」の大渋滞に巻き込まれたのだが、アイドリングストップのストレスは、今までとは比べ物にならないほど低減した。

交換はあくまで自己責任で

「S660 SPORTS CVTF 浜松Spec」はスポーツ走行のみならず、普段の街乗りでも効果が実感できる。むしろ静粛性に関する恩恵は、本当にありがたいと思うほど。交換リスクはあるし、耐久性や機械のトラブルなど今後どうなるかはわからないが、自分は「入れ替えてよかった」と心底思っている。いつまで天上の「軽いフィーリング」が続くかわからないが、販売されている間は、定期的に入れ替えていこうと考えている。

価格もディーラーでの交換と比べ5000円程度の差であり、ベラボウに高いものでもない。S660に限らず、N-ONEをはじめとする他のCVT車にも利用可能らしいので、気になる方はSAHへ問い合わせてみてはいかがだろうか。

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