最終戦にてチャンピオンの可能性を残すのは、藤野、横井、平島、川畑、齋藤の5名。この中で2017年D1グランプリシリーズの頂点に君臨するのは一体誰か。
お台場トワイライトバトル
夕方から始まった追走トーナメント。ベスト16戦では、まず齋藤、川畑、平島といったチャンピオン争いをしている選手が順当に勝ちあがり、タイトル獲得に望みをつなげる。
しかし、藤野もいつもどおりの質の高い追走で小橋を退けた。この瞬間、齋藤、川畑、平島のチャンピオン獲得の可能性が消失。残る横井はベスト16を勝利し、わずかではあるが可能性を残してベスト8戦へと駒を進めた。
ベスト8では齋藤vs川畑という宿敵対決に注目が集まった。一週間前に行われたFIAインターコンチネンタルドリフティングカップではR35 GT-Rを駆るものの敗北した齋藤であったが、今回はコルベットで川畑に挑む。開幕戦ではいいところのなかった齋藤のコルベットだが、熟成が進み無類の速さで川畑を圧倒し勝利。この速さに川畑はついて行けないようだった。
藤野は松井と対戦。これに勝てば、藤野のシリーズ優勝が決まる。1本目、後追いの松井は進入でドリフトが戻る。駆動系のトラブルだ。これにより藤野のシリーズチャンピオン獲得が決定した。2本目、藤野は1人ウイニングラン。タイヤスモークを上げながら走る姿にスタンドからは拍手が贈られていた。
気持ちを切り替えた横井
準決勝最初の対戦は齋藤vs末永(直)、1本目は齋藤が先行、距離をあけられた末永(直)は、ヘアピンで大きくインカットしてしまい、齋藤アドバンテージ。2本目は齋藤があまりキレイな流れではないものの末永についていき、齋藤が勝利。
準決勝もうひとつの対戦は藤野vs横井。気持ちを切り替えた横井は、1本目後追いの1コーナーで藤野のインを差し、その先も近い距離を保ってアドバンテージを獲得。2本目は藤野が1コーナーで横井のインを差したものの、その先で姿勢がやや乱れ、最後のコーナーではインカットしてしまってアドバンテージがとれず、横井の勝ちとなった。なお3位決定戦は藤野が勝利。
決勝は齋藤vs横井。1本目、後追いの横井はバツグンのスタートを決め、大きく離されずに齋藤についていく。判定はイーブン。そして2本目、後追いの齋藤がコーナーに飛び込んだあとドリフトがもどり突如走行不能に。
エンジンは動くものの、駆動系が壊れたようだ。これで横井の2戦目に続くお台場の勝利が決まった。
勝利者コメント
横井 昌志
今日はチャンピオンタイトルのかかった試合で、先週行われたFIAドリフティングカップで壊れた部分も治り、万全のコンディションで望みました。しかし、タイトルを獲得できず、メッチャ悔しいです。ベスト8で藤野さんのチャンピオン獲得が決まった瞬間から、今日は思いっきり楽しもう、と気持ちを切り替えました。
決勝の齋藤太吾さんとの走りは、みんなの走りを見てて、もうついて行けないだろうな、と自分のなかでも思っていたので、ダメモトでっていうかんじで後追いはスタートしたんですよ。だけど、思ったよりスタートがドンピシャで、かなりボク優勢なかんじでスタートを決めることができました。 思ったよりいいかんじで進入は入れたと思ったので、自分のなかでも「よし、行けるぞ」と2セクターから踏んでいったんですけど、そこから離されて…。でもそこは許容範囲かな、というかんじで、思ったよりは後追いでいいところを見せれたんじゃないかな、みんなもビックリして見ててくれたんじゃないかな、と思います。 そのあと入れ替えて、先行は最後の1本ですし、ファンのかたも見ていますので、後ろのことはなにも気にせず、全開でケムリをいっぱい出してやろうというかんじで自分のなかでもテンション上げて走りました。 そしたら(齋藤選手に)トラブルが出て、そのまま優勝ということになったんですけど、最後の1本は、かなり自分のなかでは満足した1本だったな、と思いますし、ファンのかたにもそれは伝わったんじゃないかな、と思います。
今年1年、D-MAX、そしてナンカンタイヤに助けられました。来年のマシン開発も始まっています。来年こそはチャンピオン取れるよう頑張ります。
藤野 秀之
シリーズ獲れたことはなにしろうれしいです。 正直今年のはじめ、第1戦からなんですが、シリーズを獲ろうっていうよりもひとつひとつ積み重ねていこうっていう気持ちのほうが強かったので、シリーズっていうよりも1戦でもいいので、D1で優勝をしたことがなかったので、優勝を目標にして走りました。 それを目標にして走っていた結果、意外といい成績で終われました。
シリーズを意識しはじめたのは、中盤、後半ぐらいからだったと思います。 で、今日シリーズ決まったわけですが、シリーズ後半、エビス戦からなんですが、シリーズ目指して行こうって、もちろん自分もそうなんですが、チームも、トーヨータイヤさんもすごい力を入れてくれて、自分のなかですごくプレッシャーもあったんですが、なにしろせっかくここまで来たんだったら獲ろうっていう気持ちで今日走ったかんじです。
シーズン途中、エンジンをSR20から2JZへと載せ替えました。その初戦の筑波ではどん底に叩き込まれましたが、そこから復活できてよかったです。正直、SR20の方がバランスが取れていて走りやすいですし、新しいマシンは何度も駆動系にトラブルが起きた。でも、今のままでは勝てない。自分は180SXが好きだから、優勝賞金は全く新しい車に使うことなく、今の車をもっと煮詰めていくことに使いたいと思います。